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2018/07 vol.80 毎日が楽しくなる情報誌・旬の味覚満載・ランチ&グルメ


well vol78

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well vol.80発刊しました!「夏のランチ・グルメ特集」「八戸三社大祭ガイド・夏イベント2018」
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well vol.79発刊しました!今回の特集は「初夏のランチ・グルメ特集」「はちのへブライダルガイド2018」「今宵はオンナひとり飲み」です。
2018.02.10 …
well vol.78発刊しました!今回の特集は「歓送迎会特集」「八戸えんぶり2018ガイド」「2018年春の新生活」です。
2017.11.10 …
well vol.77発刊しました!今回の特集は「宴会プラン満載!忘年会特集(91店)」「おせち特集2018」「はちのへ冬イベント」です。


南部の昔っ子 久慈瑛子 作

鬼とかけろっこう虫

 昔々あったずもな。ある天気の良い日に、じ様は山にたきぎ取りに行ったず。昼まま食って、ひとかせぎしたから、柴背負って帰るべとしたら、何だか賑やかな声がしたず。じ様は「何んだべ?」と声のする方さ静がっこに近づいていったず。そしたら何と、お堂の前の広場で、鬼どもが四、五人丸くなって博打していだず。鬼どもは自分の前に銭こ積んで、勝った負けだと酒こ呑んでは、「エッホー、エッホー」と騒いでいだったのだず。

 じ様はお堂の陰に隠れて鬼どもの博打のやりとりを見でいたずが、そのおもしろい事、おもしろい事。ふと、じ様は昔の人が云っていだ事を思い出したず。「なんでも鬼というものは鶏の声を聞くのが一番おっかねくて鬼はすぐ逃げで行くもんだず」と。そこでじ様は、「よし、本当かどうかおどがしてやれ」って、腰の辺りを手でバタバタと叩いて、「かっけろっこう」と鶏の鳴くまねをしたずもな。そしたら何と鬼どもは「わあ、かけろっこ虫あ、鳴いたぞう、おっかね、おっかね、逃げろ」って鬼どもは、酒も銭こも置いだまま逃げで行ったず。じ様はそのあわてぶりを見て、「やっぱり昔の人が云った通りだ」と思ったず。

 そこでじ様は、そこいら中に散らかった博打の銭こを「あゝ、もったいね、もったいね」と拾って家さ帰ったず。家に帰ったじ様は、今日のことをば様に話こしていだら、隣のば様が「火っこたもれ」と、火種もらいに来たず。そこで、鬼の博打の話を聞いた隣のば様は、急いで家さ帰り自分のじ様さ「お前も鬼の博打の銭こ貰ってこい」と云ったず。

 さて、次の日、隣のじ様は山さ行ったずもな。やっぱりお堂の辺りから賑やかな声が聞こえて来たず。静がっこに近づいて行ったら、やっぱり鬼どもが丸くなって、「エッホー、エッホー」と酒こ飲みながら博打をやっていだず。隣りのじ様は鬼どもの様子を見ていたが、頃合いを見て「よし、今だ」と腰の辺りを手で「バタバタ」と叩いて「かけろっこう」と大きな声で鶏の鳴くまねをしたず。そしたらやっぱり、鬼どもは、「今日もかけろっこ虫鳴いた。おっかね、おっかね、逃げろ」と、酒も銭こもそのままに、わらわらと逃げたず。

 ところが逃げる途中で鬼の一人が木の枝さ、ちんぽこをぶっつけて「あでで、あでで」と叫んでしゃがんでしまったず。さあ、それを見だ隣のじ様は、おがしくておがしくて「えへへ、えへへ」と声出して笑ってしまったず。さあ、その笑い声に気づいた鬼の一人が「やあい、みんな戻れ、人虫がいだぁ」と大声で皆を呼び止めたず。  さあ、戻って来た鬼どもに、隣のじ様は叩かれたりふんむぐられ、銭こどころでなく、こぶいっぱいもらって帰ったず。

  どっとはれ




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