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2017/11 vol.77 毎日が楽しくなる情報誌・旬の味覚満載・ランチ&グルメ


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well vol.78発刊しました!今回の特集は「歓送迎会特集」「八戸えんぶり2018ガイド」「2018年春の新生活」です。
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well vol.77発刊しました!今回の特集は「宴会プラン満載!忘年会特集(91店)」「おせち特集2018」「はちのへ冬イベント」です。
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南部の昔っ子 久慈瑛子 作

小便で火こ消した男わらしこ

昔々あったず。ある所にきかん坊の男わらしこ居だったず。この男わらしこは、じじとばばに大事に育てられていだったず。

じじは寝る前に必ず、男わらしこに「今日は良い事したかな?悪い事は?」と聞くのだず。男わらしこは「ばばと井戸端のごみ拾った」と言い、「悪い事は隣のわらしとけんかして泣かせだ」と云うと、じじはいつも「うん、うん」と聞いで「ゆっくり寝で起きろ」と云うだけだったず。

ところで、男わらしこの家の前には湧き水の井戸端があったずもな。なんでもこの湧き水は、大昔、日照りの時に、偉い坊様が杖を地面に刺したら水が湧いて来たという、有り難い湧き水だったのだず。したすけ、ばばは「水神様」と拝んでいつも井戸端をきれいにしていだもんだず。男わらしこも、ばばの手伝いと云っても水遊びしているだけの事だったず。

さて、ある日、男わらしこが遠くまで遊びに行った帰り道だったず。小屋の近くで、パチパチと火が燃える音がしたずもな。何んと枯れ草なんだか藁なんだか赤く燃えでいたず。男わらしこは思わず「火事だ」と叫んだず。早く家の人にお知えねばと、男わらしこは母屋の方さ走って行って「火事だ、火事だぁ、誰か居ねがぁ」と、大声で叫んでも誰も居ねがったず。道路に出て叫んでも人っこ一人居ねがったず。火事の所へ行ってみだら、前よりも赤く大きく燃えで辺りに広がりそうだったず。男わらしこは水を捜したずども、井戸も見つけられながったず。「どうすべ」と思った瞬間、男わらしこは、側に生えている蕗の葉をわらわらと掴みとったず。そして蕗の葉をまるめて、こぼれないようにまるめた蕗の底を折ったず。そして何んと着物の前をはだけて、蕗の葉っぱに小便を「じゃぁ」と出したず。それを火事の火元に持って行って、思い切り小便を掛けだず。そしたら火が「ジュー」と音立てて消えだずもな。後はもう夢中で蕗の葉っぱをむしり取って、火が燃え広がらないように火の上に葉っぱをいっぱいいっぱいかぶせだず。ようやっと火が消えた時は、もう男わらしこはぐったり座り込んでしまったず。

その晩の事、男わらしこは「小便で火事を消した」と、じじに云ったず。じじとばばは訳を聞いでびっくり。じじは「男ぼんず、お前は大したもんだ。良くも蕗の葉っぱを如雨露にしたな、誰に聞いだど?」と聞いたず。

「うん、ばばと一緒に蕗で水を呑んでたよ」と云ったず。ばばは「これは水神様のお知えだ。ありがたい、ありがたい」と手をあわせだず。それから水と小便は大事にするもんだと云われるようになったず。

どっとはれ




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