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2017/11 vol.77 毎日が楽しくなる情報誌・旬の味覚満載・ランチ&グルメ


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2017.11.10 …
well vol.77発刊しました!今回の特集は「宴会プラン満載!忘年会特集(91店)」「おせち特集2018」「はちのへ冬イベント」です。
2017.07.10 …
well vol.76発刊しました!今回の特集は「夏のランチ・グルメ特集」「住宅特集マイホームを建てよう2017」「はちのへの夏イベント2017」です。
2017.05.10 …
well vol.75発刊しました!今回の特集は「初夏のランチ・グルメ特集」「はちのへブライダルガイド2017」「初夏のお弁当カタログ」です。
2017.02.10 …
well vol.74発刊しました!今回の特集は「歓送迎会特集」「八戸えんぶりガイド」「春の新生活 引越情報」です。


南部の昔っ子 久慈瑛子 作

墓掘りと長者様

昔々、ある所に「六尺」と呼ばれる男が居だったず。

その六尺は独り者で、墓の穴掘りを手伝って居て、寺から「葬式があるから穴掘りしてけろ」と云われると、寺男と一緒に墓さ行って穴を掘り、葬式には穴を埋めては、駄賃と清めの酒をもらっては、ちびちび酒こ呑んでいだもんだず。

そんなある日、村一番の金持ちの長者様が急に死んだずもな。さあ、長者様の家も、村も、大騒ぎになったず。家の人は泣きながら長者様の死出の旅立ちの用意をしたず。聞くところによれば、長者様には絹のふんどしに絹の白着、そして最高の着物を着せかけ、金は、船渡し銭の六文銭のほか、あの世でも、たくさん贅沢できるようにと、何でも本物の札束を入れたと評判になったずもな。葬式には近隣のお尚が何人も集まり野辺の送りには銭こもばらまいだという事だったず。

その日六尺は、寺男と二人で葬式に間に合うように大きくて深い穴を掘ったず。そして、葬式には何の手落ちもなく、棺桶を墓におさめ土もかぶせで安心して、貰ってきた酒こを呑んでいだったずな。

ところで、六尺にも長者様のお棺の中に本物の札束が入れられたと云う話が聞こえてきたず。六尺は、普段は余り死人の事を考えないで黙々と仕事をしてきたが、棺桶の中に今、使えるお札があるとなると、もう欲しくて欲しくてたまらなくなったず。俺なら墓の土を掘り起こせるし棺桶の蓋も開けることができると思ったら、もう居ても立ってもいられなくなったずもな。

葬式の過ぎたある日の晩、六尺はスコップを持って墓場に行って墓を掘ったず。しばらく掘ってようやく棺桶の蓋を開けたずもな。長者様は眠っているように静かだったず。六尺は長者様の顔見ないで札束を探したず。

「あった!!」札束が長者様の両腹いっぱい置いてあったず。六尺は夢中で札束を掴んでふところに入れようとしたら、何と、死んだ長者様の手がぬっと伸びて六尺の腕をぎゅっと掴んだず。その力の強いこと。六尺は、どうにかして長者様の手を振りほどこうとしたずども、中々ほどけなかったず。六尺が慌てて札束から手を離すと、長者様の手も六尺の腕から離れたず。六尺は、もうおっかなくて、おっかなくて、どうして家さ帰ったが解らなかったず。

次の日、六尺は墓土の長者様に「どうか許してけろ」と謝りに行ったず。そして、二度と俺みたいに心違いしないように、そして長者様がゆっくり眠れるように墓の土盛りを強くして帰ってきたず。

どっとはれ




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