季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

食育エッセイ36「食から元気なからだと豊かな心を」

京都帰りの知人から手渡された小さなお土産袋。お目にかかるたびに、その土地の美味しいものをお土産にいただいているので、今回は何かな~とワクワクしながら箱を開けると、うわぁ~新商品!老舗のお菓子屋さんが開発した、新しい可愛い生菓子が入っていました。今、最も注目していたお菓子に飛び上がって喜んだジュンコ先生。

お土産を開ける時の気持ちは、大人になった今も幼い時もそう変わりはないなと思いながら、懐かしい思い出がふっとよみがえったのは、東京土産の二つのこと。 一つは青い缶にエッフェル塔が描かれた洋風ピーナッツおかき。子どもながらに、縦型で、とてもおしゃれな缶に魅了されたことを思い出します。まずは縦型の缶にびっくり。缶ってこんな形もあるんだと蓋を開け、いつものおせんべいとは違う香ばしい味に手が止まらなくなり、お土産って素敵だなと思ったのでした。

もう一つはクッキーを日本で初めて販売したお菓子屋さんのクッキー。浮き輪形の丸いクッキーは宝石がついているように見えたり、スポンジケーキを焼いたような長四角のサクサククッキーが好きだったこと、缶の中には、丸、三角、四角、星型、棒状と様々な形のクッキーが隙間なく美しく詰め合わされていたことに驚いたものでした。詰め合わせることの美しさは、このクッキーが教えてくれたように思います。

 でも、幼い時に最も嬉しかったお土産と言えば、何といってもやっぱりお寿司!父が会合などで出かけたお寿司屋さんから帰ってきた時に、「お土産だ。」と寿司折を手渡された時の嬉しさ! 深緑の包み紙でぴっちりと包まれ、緑色の細い平紐で十字にしっかりと結ばれていた寿司折もとても綺麗で、寝る時間であってもお土産を待ってパジャマのまま起きていて、美しい寿司折の中で整然と並ぶお寿司に、妹と順番に手を伸ばして食べたことを思い出します。夕食とは異なりパジャマのままお寿司を食べたことも、子どもなりに特別感を味わいながら。美的感覚を養うその出発点は、乳幼児期の食にあるのかもしれません。

心も身体も美しい人であるためには、毎日の食事が大事!新しい年もウェルの中に詰め込まれた美食の数々を堪能する一年にと思います。
「ジュンコ先生、はい、お土産!」、お店の笑顔も素敵なお土産です。

– 書き手- 千葉幼稚園 園長 岡本 潤子