季刊[はちのへ中心蔵ウェル]

オトナのたしなみ塾「第13回 和室の作法(座布団の上がり方・おり方)」

平成から新元号『令和』となり、この御世代わりを契機に何か新しいことにチャレンジしようと希望を膨らませている方も多いのではないでしょうか。
さて、元号を使用しているのは、世界でも日本だけです。改元や東京オリンピックで世界が日本に注目する中、日本のしきたりもまた注目を浴びております。そこで今回は、和室の作法の中でも座布団についてお伝えしたいと思います。今では和室のあるご家庭が少なくなっていますが、日本料理店など和室に通され、座布団に座らなくてはならないことがありますね。いきなり座布団を足で踏みつけそのまま座っていませんか?
実は、それはタブーな行為です。それでは、座布団の座り方レッスンです。

大切な三つの動座

  1. 「跪座(きざ)」…つま先をたてて、かかとに腰をおろした状態
  2. 「膝行(しっこう)」…膝の両側に手をついて、膝をついたまま進むこと
  3. 「膝退(しったい)」…膝の両側に手をついて、膝をついたまま後退すること

〈座布団の横から入る場合〉

◆座布団の上がり方

  1. 座布団の下座側(入り口に近い方)に正座する。
  2. 跪座の姿勢になり、身体を斜めにして座布団の端に膝を下ろす。
  3. 手をついて、身体を支えながら膝行で座布団に入る。
  4. 2、3回膝行で座布団中央に進む。
  5. 両脇に手をついて、身体を正面に向けて正座をする。

◆座布団のおり方

入るときと逆の動きになります。

  1. 上座側の手を膝の後ろにつき身体をずらす。
  2. 手をついて膝退で座布団から下りていく。
  3. 両足が畳におりたら跪座の姿勢になる。
  4. 身体の横に手をつき、身体を正面に向け畳の上に正座する。

〈座布団の後ろから入る場合〉

◆座布団の上がり方

  1. 座布団の後ろに正座する。
  2. 跪座の姿勢になり、下座側の膝を座布団の端にのせる。
  3. 次にもう一方の膝を座布団の端にのせる。(膝を片方ずつ、一、二と進む感じで。)
  4. 膝行で進み、正座する。

◆座布団のおり方

入るときと逆の動きになります。

いかがでしょうか? 慣れないと少し難しいかもしれませんね。まずは、ご自宅で跪座や膝行の練習をしてみてはいかがでしょうか。スムーズになるととても美しい所作振る舞いになることでしょう。この度もお読みくださりありがとうございました。